蒸れ対策にはインナーグローブや通気構造
花屋の作業現場では、長時間手袋を装着することが一般的ですが、その中で特に大きな悩みとして挙げられるのが「蒸れ」の問題です。
蒸れを防ぐための具体的な対策として最も効果的なのが、綿素材や通気性の高い素材で作られた「インナーグローブ」の使用です。インナーグローブは、手汗を吸収し、手袋内の湿度を一定に保つ役割を果たします。特に長時間作業を行う方にとっては、直接ゴム素材が皮膚に触れないだけで肌への負担も大きく軽減されます。最近では抗菌仕様のインナーも増えており、衛生面にも配慮されています。
また、手袋そのものの通気構造も重要です。通気性を高めた設計の手袋や、手の甲部分がメッシュになっているタイプは、熱がこもりにくく、汗の発散を助けてくれます。夏場はこうした通気設計が施された製品を選ぶことで、快適な作業環境が維持しやすくなります。
手袋のサイズ選びも蒸れ対策には欠かせない要素です。大きすぎると内部で摩擦が起こり汗がたまりやすくなり、小さすぎると通気性が悪くなり余計に蒸れます。ぴったりと手に合うサイズを選ぶことが、快適さと蒸れ防止の両立に繋がります。
蒸れ対策のポイントを、以下にテーブルで整理します。
蒸れ対策の工夫 |
具体的な内容 |
インナーグローブの使用 |
綿素材、抗菌加工、吸汗性が高いタイプを選ぶ |
通気構造付き手袋の選定 |
メッシュ構造や通気穴付きタイプ、手の甲が開いている設計など |
手袋のサイズ最適化 |
手の大きさに合ったサイズで隙間を減らし、フィット感を高める |
作業の合間に手袋を外して乾燥 |
定期的に手袋を外して手を乾かす時間をつくる |
パウダー入り手袋の一時的活用 |
吸湿性があるパウダーが手袋内の汗をコントロール(ただし肌への刺激に注意) |
さらに、作業終了後は速やかに手袋を外し、手を石けんで洗ってから保湿クリームを使用することで、肌のバリア機能を回復させやすくなります。
湿度が高い時期や長時間作業が前提の職場では、1日の中で数回、予備のインナーグローブや手袋そのものを交換することも推奨されます。コスト面は発生しますが、作業効率や健康維持という視点では十分に見合う対策といえます。
花屋のように「手が命」である現場だからこそ、快適性と衛生面を同時に満たすための蒸れ対策は、日常の工夫と正しい製品選びの積み重ねが鍵になります。
アレルギー体質でも安心なパウダーフリー手袋とは?
ゴム手袋を使用する際に気になるもう一つの重要なポイントが「アレルギー対策」です。特にラテックスアレルギーなどを持つ方にとって、誤った手袋選びはかゆみや発疹、手湿疹といった症状を誘発する原因になります。
このようなトラブルの対策として有効なのが、「パウダーフリー手袋」の活用です。従来の手袋には着脱をしやすくするために内側にコーンスターチなどのパウダーが施されていましたが、このパウダーが皮膚に刺激を与え、アレルギー反応や乾燥を悪化させる一因となっていました。パウダーフリー手袋はその名の通り、内側にパウダーを一切使用せず加工されたもので、皮膚への刺激を最小限に抑える仕様になっています。
さらに、パウダーフリー手袋の多くは、アレルゲンを含まないニトリルやPVCといった素材で製造されており、天然ラテックスを避けたい方にも安心です。こうした素材は、皮膚に直接触れる時間が長くなる現場において、かぶれや湿疹を予防する上でも高い効果を発揮します。
アレルギー体質の方にとっては、使用する手袋が「刺激を最小限に抑える設計」であるかどうかが極めて重要です。具体的には以下のようなポイントを満たす製品を選ぶのが理想です。
- ニトリル製(合成ゴム)でラテックス不使用
- パウダーフリー仕様(無粉)
- 内側がスムース加工またはフロック加工で肌にやさしい
- 一部抗菌処理済み製品
また、手袋を選ぶ際にメーカーが「医療現場用」や「食品加工対応」と表示しているかも確認すると良いでしょう。これらの用途向けに開発された製品は、一般家庭用やDIY用途よりも厳格な安全基準で作られていることが多く、安心して使うことができます。